吹っ切れた
−−争奪戦 青学 VS 氷帝−− 竜崎先生も、監督も・・・さえもその場で固まってしまったほどだ 青学メンバーと氷帝メンバーが・・・ もの凄くハイスピードで試合をしてる。 その試合を隅の方で見ていた千石は、大爆笑しながら 青学と氷帝の試合の審判をこなしていた。 『ぜってー、は渡さないもんね〜!』 『ちゃんは、元々こっちの生徒なんだからこっちにくるんだよっ』 『でも通ってるのこっちでしょ?先輩・・・』 『五月蠅いガキが黙れんのか!?』 『この調子じゃ日が暮れちゃうよね・・・』 『なんつーか・・・負けたくねー・・・』 目の前で繰り広げられる試合の中で、会話に多く出てくる単語が 【】 「あの、お父さん・・・」 「おや、じゃないか・・・どうした?試合に入らないのかい?」 そんな試合を見て呆れたのか、は千石の父の傍に座り ゆっくりと目を瞑った。 「・・・・・・時々、どっちが自分か・・・分からなくなります」 カボチャコロッケって叫んで笑って明るく元気に騒いでいた自分と 残酷で冷血で酷いことしかできなくて笑えもしない自分と 「・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・本当の俺って、どっちなんでしょう・・・」 目の前では、自分の義兄弟が大爆笑しながら審判していて 自分のことをまだ忘れずに居てくれる青学と氷帝が試合をしていて 「『一殺多生』って知ってるかい?」 「一殺・・・多生?」 1人を殺すことによって多くの人を生かすこと。 「それが・・・何・・・?」 「明るいを殺せば、冷血なを生かすことができて・・・ 冷血なを殺せば、明るいを生かすことができる じゃぁ、両方殺せば何が残るかと言われれば・・・骨しか残らない じゃぁ、両方生かせば何が残るかと言われれば・・・何が・・・残るかな?」 千石の父の言葉に、は黙り込む。 「じゃぁ、いい例をもう1個だそう・・・ もし私に血の繋がりはないけど愛している『妻』と 血の繋がりのある愛している『子供』どちらかしか助けられない そんな場合に陥った時、助けるのは『妻』だよ・・・」 「え・・・な、何で・・・」 普通なら、子供を助けると・・・そう思う・・・。 けど、千石の父は違った・・・ 「『妻』は命がけで『子供』を守るモノさ・・・だから私は『妻』を助ける ・・・で、その『妻』は『清純』と『』を助けるだろ? その場合、『妻』にとっては『明るい』でも『冷血な』でも・・・」 千石の父が言葉を最後まで言う前に・・・は急に立ち上がり。 千石の父に頭を下げた・・・。 「・・・もう、私は帰るから・・・家で待ってるよ・・・」 そう言うと、千石の父はゆっくりとの頭を撫でて帰っていった。 そして、立ち上がったはすぐに青学と氷帝が試合するコートの真ん中へ立ち 飛んでくるボールを素手で受け止めた。 皆が驚いている中、は大きく息を吸うと・・・ 「何てめーら勝手に試合やってんだッ!くだらねーことで試合やるぐらいだったら 俺にカボチャコロッケ奢りやがれッ!!!!!」 の叫びに、ほとんどの人がラケットを落としを見つめていた。 『あらら、予想通り・・・試合止めちゃった・・・』 そんなことを思いながらクスクス笑っている千石をよそに はニヤリと笑みを浮かべ、もう一度言葉を放ったのだ。 「カボチャコロッケ奢れねー奴は・・・死ね」 ((((もの凄く爽やか笑顔で【死ね】って言っちゃったよ)))) カボチャコロッケと言うのは、明るいだけだったはず 死ねと言うのは、冷血なだけだったはず 『んー、なんつーか・・・吹っ切れた?』 千石は、固まった皆を見て大爆笑しながらもが吹っ切れたことに 本当の幸せを感じていたりもした。 −−何が残るか?−− そりゃ、俺だ・・・千石だよ・・・。 −−『明るい』でも『冷血な』でも?−− 俺、千石には変わりないだよ・・・。 どっちの俺も俺じゃんか・・・。 なんつーか・・・吹っ切れたよ・・うん。 |