弟の言葉



『It he..lps.』
(ゃ・・ッ助け!)
『it is the bought body -- make it gentle!』
(買われた身だ、大人しくしろ!)
毎日、毎日・・・身体が痛くなるまでの2週間。
稼いだ金は全て親の元へ・・・

食事は、たまに出る残飯。

そして、ある日・・・千石の父が母を訪ねやって来た。
『久し振りだね・・・』
『あら、ホント・・久し振り、ここはアメリカよ?英語で話したら?』
『日本語で喋ってくれよ・・・私も、君も日本人なんだから・・・』
『まぁ、そうね・・・ほらッ人殺し・・・お茶ぐらい用意しなさいよ』
母と友人だった千石の父は、母の【人殺し】という言葉に驚いていた。
それもそうだろう・・・自分の息子を名前で呼ばず
【人殺し】という言葉で呼ぶ母親が居るなんて、誰も思わない。
『初めまして、おじさん・・・人・・殺しです・・・』
自分の名前を言おうとしたには、母の睨んだ目が向けられていた。
『人殺しって名前じゃないだろ?本当の名前は・・?』
『・・・・・・・・・・名前、ないから・・・』
苦笑いを浮かべるを見て、千石の父は何も言えなくなっていた。
『・・・この子の【本当の】名前は・・・?』
自分にもこれぐらいの息子、清純が居ることで何かを感じたのか
急に真剣な表情になって、の母に問いつめた・・・
すると、返ってきた言葉は・・・

『本当の名前ねぇ〜・・・忘れたわ』


『・・・どこに行くんだい?』
『仕事・・・千石おじさんこそ、どこに?』
『付いていこうかなって・・・君の名前、まだ聞けてないし』
『・・・・・・・・おじさん、付いて来ない方がいいよ・・』
しばらくして、は両親にまた稼ぎに行けと家を追い出された。
稼ぎという言葉を聞き、不思議に思った千石の父が付いてくれば。

場所は、遊郭。

『・・・・・・・君は・・・』
『軽蔑するよね・・・親に名前で呼ばれないし・・・』
『・・・・・・・買うよ・・・』
『・・・へ?!』
突然、千石の父が口にした言葉に、はただ目を見開いていた。

『よーし、おじさんが、君の一生・・・買ってあげるよ・・・』
『千石・・・おじさん・・・?』

ゆっくりと、目の前に差し出されたからすれば大きな手

『来るかい?』

すがっちゃいけないのに・・・また両親に怒られるのに
けど、すがりたいと思ってしまった。
数分後・・・は、ゆっくりと、その大きく温かい手にすがった。


『ということだ、この子は俺が買った・・・』
千石の父の言葉に、両親は驚きを隠せず固まっていた。
『買ったって、貴方ッ』
『ほらッ、これで文句ないだろ!!』
片手でをぎゅっと抱き締めて、もう片方の手で通帳を投げつけた
見れば、中身はとても1人で稼げるような金額ではないぐらいのお金。
『・・・構わない・・・が、お前に居場所なんて・・・』
『・・・ないって分かってるよお父さん・・・』

『ならいい・・・』

分かってても、すがってしまったこの人に、ずっと尽くそうと
そう考えたに、父は黙っても母は黙らず大きな声で叫んでいた
『Go away!! Murder!!』
(出て行って!!人殺し!!)

言われなくても出てくよ・・・

『Never do tennis! Murder』
(二度とテニスをやるな!人殺し)

やらねーよ・・・特別なことがない限りな・・・

『You, murder, do not have in room etc.!』
(人殺しのお前に、居場所なんてないんだ!)

わかってる、俺の居場所なんてない・・・

二度と・・・二度とテニスはしない・・・

が自分自身に込めた思い・・・。
青学や、氷帝の皆に出会っていなかったら・・・
きっとテニスに関わることはなかっただろう。

『千石おじさん・・・俺ね、・・・
『そうか、じゃぁ今日から君は、じゃなく・・・・・』

−−千石だ・・・俺の息子だよ・・・−−

『何か不安でも?』
『ううん・・・ゴメンナサイ・・・・ありがとう・・』
『いえいえ・・・それじゃ、行こうか・・・

こんな不安な日々を送っていたを支えていたのは・・・
姿を消した弟が最後に言った言葉・・・。

きっと、この言葉がなかったら・・・はこの生活に耐えられなかった。


【お兄ちゃん・・・テニスを・・・やめないで?】