偶然じゃない
「「(先輩)」」 青学の誰もが言葉を放ったその瞬間、バンッという扉が開く音が響いた 控え室に居たスタッフは驚き固まり は大きく溜め息を吐きながら呆れ 青学の皆はに駆け寄り、手塚や大石だけがスタッフに謝っていた。 「・・・、手・・・」 そんな中、他の皆はの手に視線を集中していた。 スタッフに手当てをされたのか、の両手は包帯で巻かれていて その包帯には血が滲み出ていた。 その視線に気付いたのか、はサッと両手を後ろに隠し皆を睨んだ 「人のバイト先まで来て、何の用?言わなかったっけ?」 ウザイんだよ、あんたら・・・ ズキッ・・・と痛む感じがする。 言われた皆も辛そうな表情を見せるが、何より 言いたくもない言葉を言っていた自分がイヤでしかたなかった。 とその時・・・ 「あー、あくまで独り言なんだけど・・・実は手当てしっかりできてないんだよね〜」 スタッフの1人が小さく呟いた。 「そうそう、これでいいからって消毒もせず自分で包帯巻いちゃうし・・・」 そのスタッフの言葉に反応するかのように、他のスタッフも喋り始める 「あのカボチャコロッケって叫んでた頃は素直に包帯巻かせてくれたのに」 「あぁ〜、あの頃のちゃんはどこに・・・」 「ちょっ!」 言って欲しくないようなことばかりブツブツと呟くスタッフ 慌てて止めようとするは、隠していた両手を出しスタッフ1人を掴もうとするが 「あくまで独り言なんだけど」 とニッコリ笑顔を向けられたうえに、その両手を英二と不二に掴まれ どうしようもない状態となってしまった。 「放っ・・」 『放せ』と言おうとしたは英二と不二の表情を見て固まってしまった。 怒っている・・・ 今まで、見たこともない表情でを見つめていた2人 どう見ても、放してはくれないだろう・・・。 しばらくして、2人は黙ったまま消毒液と包帯をスタッフに貰い の手を手当てし始めた。 血はハンカチで拭き取り、消毒液を付け包帯を巻く・・・ このハンカチはもう使えないな・・・と思っているはゆっくりと口を開いた 「ハンカチ・・・買って返す・・・」 「・・・返すってことは、また会ってくれるわけ?」 ここでと出会えたのは、本当に偶然だった・・・。 だから、また会えるなんてことは期待していなかったから 控え室まで向かった青学メンバーだったが・・・ 「・・・イヤでも会えるさ・・・」 竜崎先生が口を挟むからな・・・。 と、小さく呟くの言葉を聞いて、皆は驚いた 「竜崎先生が・・・」 「・・・・・・分からねーのか・・・、本当にここに偶然来てると思ってる?」 偶然だ・・・。 『今大人気の、【劇団赤とんぼ】のチケット手に入れたよ!!』 偶然・・・のはず・・・ 『もちろん、人数分!しかも竜崎先生から・・・。』 イヤ・・・偶然じゃない・・・ 「・・・俺がここでバイトしてることぐらい、先生なら分かってる・・・」 の言葉に、誰もが驚きを隠せなかった。 知っていた・・・何を? がここでバイトしていることを・・・ 知っていた・・・誰が? 竜崎先生が・・・ 分かっていた・・・何が? 皆がここでと出会うことを・・・ 「もう帰れ・・・」 「でもッ・・!!」 英二の言葉にビクッと身体を振るわすはしばらく口を閉じ ゆっくりと口を開いた時には、の身体の震えは止まっていた。 「また会える」 「え・・・」 「どうやら、お前達と会うのは『偶然』はなく『必然』だけらしいな」 はニヤリと笑みを浮かべ、スタッフ用の個室へと足を運び 皆はその様子を見てから、ゆっくりと足を進め始め 会場を後にした・・・。 |