バイト先
「「あ・・・」」 そんなマヌケな声が重なったのは日曜日の午後 劇団赤とんぼが演奏を行う会場前であった。 「何で青学が来てるんだ・・・」 「そっちこそ!!何で氷帝がこんな所にッ」 迷惑など気にせずに、入り口で言い合いが始まった。 青学は青学で、を氷帝に捕られたと恨みがあり 氷帝は氷帝で、が3年近く青学に居たと恨みがあり 両方が両方で恨みがあるから・・・その言い合いは止まることがなかった。 ある人物が止めるまでは・・・。 「・・・てめーら、人のバイト先で何やってんだ」 「「「(ちゃん)!!」」」 『皆様、この度【劇団赤とんぼ】演奏会へようこそいらっしゃいました。 只今より、演奏の各説明をさせていただきます・・・・・・』 時間になり、青学も氷帝も観客席へとついていた。 青学のメンバーは、ただ気晴らしに来たここで・・・ まさか、と会えるとは思わなく、ただ驚きが隠せない状態で 氷帝メンバーは、当初の目的『のバイトに行く』は達成できたので 【青学がここに現れた】ことを除き、全員機嫌がよかった。 『・・・・・・ということで、最後は何十qも響くと有名な大太鼓 我が劇団の名ともなった、赤き跡を残す演奏となります。』 その頃、は・・・自分の出番の準備をしながらも 会場の入り口で出会った者達のことを思い出していた。 『な・・んで、がここに・・・』 震えてる英二の声が今でも残っている感じがする 『・・・バイトってここだったんだね・・・』 表面上は笑顔なのに、どこか怒りが見えた不二の声 同じクラスだったから、余計に離れた時の傷は深かった。 「おや?ちゃん、暗いね??」 「あ・・いえ・・・」 「暗いよ?いつも『カボチャコロッケ』って叫びながらここの控え室に居たのに」 「ハハハ・・・まぁ、そんな時もありましたね・・・」 思い出していれば、スタッフの人がに話し掛ける。 「今日は・・・大切な友人が大勢来ているものですから・・・」 「おやおや、じゃぁその友人さん達、ビックリするだろうね・・・」 そんなスタッフと話をしている中、各説明は終わり、演奏は始まっていた。 「ビックリというより、最後の演奏見たら・・・ 演奏中でも止めに舞台にあがりそうですけどね」 「そうか・・・いい友人もったじゃない・・・」 話し続けていたの言葉が止まった。 『いい友人』・・・その言葉に酷く反応してしまった。 「・・・そんな友人を、裏切り続けてますよ・・・俺は・・・」 誰にも聞こえないような小さな声で呟いたその言葉は 近くに居たスタッフにでさえ、聞こえることはなかった。 しばらくして、スタッフは演奏中の照明作業で忙しくなり の傍を離れていった・・・・と、その時・・・。 の携帯から、着信メロディーが流れ始めた。 画面を見れば【43】という文字だけが書かれている。 それを見て、もちろんは誰だか分かり、大きくため息をつきながら電話に出た。 「・・・・んだよ43・・・」 『バイト中、悪いのだがね・・・』 電話の相手は監督・・・監督の名を登録せず『43』と年齢を入れる所がらしい と、それはさておき・・・電話に出た監督の口調がいつもと違っていた。 相手には、ふざけたような口調が毎回の監督が 今回は、真剣そのもので話し掛けてくる・・・。 こういう時は、絶対真剣な話・・・しかも大事な話だ。 『・・・・・・・ということなんだが・・・』 「・・・勝手にしろッ!」 しばらく真剣に話をして、最後の最後ではブチッと電話を切った。 |