最後のチャンス



「なんスか?先輩・・・」
越前の言葉が聞こえてくる。
手塚が激痛に耐えながら、試合を続けている中
は、アップにしに行った越前を追ってきた。
「一言、言いに来た」

先輩・・・」
その言葉に、越前と一緒に居た桃城が表情を暗くする。
1番、と深く関わった人物だけに言葉をかけている
桃城も、つい先程言われたばかりだった。

『桃城武・・・先の未来は、ライバルと見るモノだぞ?』

「別に、後でも話せるッスよ・・・」
「今が・・!」
が大声を出した。
越前も、桃城も驚き・・・下を向いているを見つめる。
「今が、青学のから聞ける最後のチャンスだとしてもか?」

「・・・んじゃ、今言ってくださいッス」
の言葉に、2人は正直戸惑った。
【青学の】という言葉に・・・
最後のチャンス・・・ということは、もうこれからは聞けない
青学のの言葉が聞けないとなると・・・。
答えは決まっていた。

「越前リョーマ・・・上を目指せ」

「・・・言われなくても」

目指すッスよ。・・・越前は、言いながらの横をすり抜けていった。
その越前の後を追うように、も行こうとしていたが
「待ってください!!」
肩に手を置かれ、桃城に呼び止められてしまった。
「放せ・・・桃城」
「イヤッス・・・最後ってどういうことッスか!?」

答えは決まっていた。
【青学の】の言葉が聞けなくなるならば・・・
青学ではなくなるということだ。

「桃城・・・いい加減、放っ」
ドゴッ
が言葉を最後まで言う前に・・・桃城は倒れた。
勢いで殴ってしまったか・・・とが思っていたが・・・
それは違っていた。
「あちゃー・・ちゃんに抱きつこうとしたんだけどな〜」
桃城が倒れたすぐ横に居たのは、ほっそりした感じだが力強く
フレームのない軽いメガネをしていて左耳にクロス型のピアスをつけている
身長180p近くある美青年。

「まいっか、っと先行けば?ちゃん」
「・・・サンキュー」
青年の言葉に、お礼を言い・・・はコートへ向かい走っていった。
お世話になった最後の人物、手塚国光に一言言うために・・・。
「理央・・・また、抱きついたのか?」
そんな中、あとからやってきた青年が1人。
先程の青年と同じく身長180p近くあり、銀髪に
黒に近い灰色の瞳をした美青年。
ちゃんと間違えた・・・」
「・・・理央らしい」
2人の青年がクスクス笑っている中、ようやく目を覚ました桃城
「・・だ・・誰ッスか!?」
目を覚ませば、見知らぬ2人が自分を覗き込んでいた。
ビックリもするだろう・・・。
「んー、俺・・・嶺蔵理央、悪い悪い、大丈夫か?」
桃城に謝っている青年・・・桃城を倒してしまった人物。
嶺蔵理央(ミネクラリオ)
「俺は炬雅白亜っと、大丈夫そうだな・・・」
後からやってきた青年・・・桃城の顔色を見ながら言葉を放った。
炬雅白亜(コガハクア)
何が起こったかは全然わかっていない桃城は、2人に見てくれていた礼を言い
コートへ向かい走っていった。


「誰・・・っか・・・」
「青学は、誰も知らないのかな・・・俺達のこと」
「さぁ〜・・・んじゃ会いに行きますか」
理央と白亜も、コートに向かいゆっくりと歩き始めた。

氷帝では、知らぬ人は居ないと言われる2人。
何せ、この2人はこう呼ばれているのだから・・・

−−誰も立つことのできない凍った野原に
立って、そして歩むことができる人が3人いる−−

氷原と・・・。