震える声



「英二に何を言ったんだい?」
「んー・・・1番に気づいちゃったからな英二は・・・」
真剣な表情で問われた言葉に、はさらりと受け流した。
もちろんのことながら、不二がどんなに真剣でも
はこちらを向こうとはしない。
『波動球!!』

「いい加減にしてくれないかな・・・」
「ん?何のことだ・・・不二・・・」

誰もが信じて疑わなかった。
それもそうだ、1年生の時から今まで・・・
ずっとずっと、青学テニス部のマネージャーをやっていたのだ
疑えるはずがない
「・・・ねぇ、・・・氷原って何?」
ビクッっと・・・の身体が反応した。
「乾より多く情報得てるのは僕なんだからね・・・」
甘く見るなとでも言いたいように、不二は言葉を放ち続けた。
『勝つのは氷帝・・・・・・・・・です』

「氷原って、氷帝学園で有名な3人組のことらしいね・・・」
「・・・・・・・・・・・・・それがどうした?」

『片手の波動球だ!?』

「・・・なんで青学にいるが、その氷原の3人組の中に入ってるのかな?」

が氷帝の者達と喋る時だけ、周りの雰囲気が変わる・・・。
だから、が学校に来ない間・・・気になって調べたのだ。
が、しかし・・・それは、不二にとって知りたくもない事実だった。

氷帝学園・・・総生徒数1652人
最も有名なのは、『男子テニス部』と『氷原』という噂。
男子テニス部はよくわかったのだが、『氷原』の意味が
理解できなかった。
でも、有名なだけあって・・・理解するのは簡単だったのだ。
氷原とは、氷帝学園に通うある3人組の事を示す。
学園の誰かが呼び始めたらしい・・・。

−−誰も立つことのできない凍った野原に
立って、そして歩むことができる人が3人いる−−

その者達を氷原と呼ぶようになったと・・・。
だいたい想像がつく、凍った野原とは人生の中の試練ということ
誰もが立ち止まってしまって歩むことができないのに
その3人だけは・・・止まることがないと・・・。

『もう打てません・・・』

そこで思うことが『おかしい』の一言だ。
何故『氷帝学園』で有名の『氷原』の中に・・・
『青春学園』のが入っているのか・・・。

「・・・何でこう・・・気づいちゃうかな・・・」
の声を聞いて、不二が驚いた・・・。
「・・・・・・?」
の声が震えていた。
声を聞けば、今にも泣きそうな感じがする・・・。
「・・・全部、気づいたわけじゃないだろ?」
「そうだね・・・どうなるかは全然わかってない・・・」

『彼も限界だったようだな』


「不二周助・・・同じクラスでお世話になりました」


フルネームで呼ばれ、今まで言われたことのない言葉を言われた。
「まさか、ここでそう言われるとはね・・・」
いつもカボチャコロッケと叫んでは
迷惑だったり楽しかった、学園生活。
このの一言だけで、崩れてしまいそうに感じた
これから起こること全てを知ったわけじゃない
だからこそ、その不安が増してしかたがなかった。
河村を、病院に行く前に呼んでくれと言われた不二は
試合の準備と共に河村を呼びに戻っていった。

『両者試合続行不可能により・・・シングルス3無効試合!!』

不二に呼ばれ、やってきたのは河村と竜崎先生。
、病院に行かないといけないんだが・・・」
竜崎先生の言葉に・・・が立ち上がった
「んじゃ、越前よろしく!歩きながら話そうか・・・」
ベンチコーチを越前に交代し、病院を目指すことになった
表情が見えると思っていた青学の皆だったが・・・
ベンチコーチから立ち上がっても・・・は下を向いたまま
表情が見えることはなかった。