気づいた猫



「ところでさぁ〜、なんで・・・制服なの?」
青学の誰もが思っていた質問を、英二はに聞いてみた。

『海堂!3歩半下がろうか』

試合あとで、多少汗をかいている英二は
タオルで汗を拭きながら、微笑んでいる。

が応援に来てくれた、がベンチコーチに入っている
が、傍にいる・・・。
それが嬉しくて・・・嬉しすぎてたまらない様子だ。
「ん?何でそんなこと聞くんだ??」
「だってさ〜、・・・いつも・・・」

私服だろ?

『たとえ予測出来ても、返せないモンがあんだろ』

「あー・・・今日が、制服着るの最後になるからな・・・」
「はい?」

の言葉に、持っていたタオルが落ちる。
一瞬にして、英二の顔から微笑みが消えた。
自分が今から何を言おうとしているのかすらわかってない状態で
英二は言葉をゆっくりと放ち始めたのだ。
「最後・・・ってずっと私服で居るとか?」
『ブーメランスネイク!!』
「まさか!本当にこれが最後だ・・・」
クスクスと笑っている様子が、背中を見ていてもわかった。
「試合に来て応援するのに、着てくるのが最後とか!」
英二は必死になって、言葉の繋ぎを考えた・・・。
言葉が止まるのが怖い
何も喋らなくなるのが怖い
英二は初めて、そんな感情に襲われた。
「確かにそれは正しい、それに青学の応援に来るのはこれが最後だぞ?」
「え・・・」

『宍戸さん、ストレートは俺が!!』

青学の・・・ということは、他のには応援に来るのだろうか
言葉の1つ1つに、不安を感じた。
試合に勝利したからとか言って、微笑むような余裕がなくなっていった。

おかしい
今日は、勝っても嬉しくない
何故?

『宍戸・鳳ペア、ゲームカウント6−3!!』

・・・もしかして・・・」

「それ以上言うなよ・・・」

いつも元気いっぱいで、難しいことなど考える余裕すらない英二が
1番最初に気づいた。
どうしてが変になってしまっているか
どうしてが制服を着て来ているか
今・・・がどういう気持ちか・・・
「どこに行っ」
「内緒・・・この氷帝戦が終わったらすぐわかるさ・・・」

『ゲームセット、ウォンバイ氷帝!!』


「菊丸英二・・・目指せよダブルス、ナンバー1」


フルネームで呼ばれ、今まで言われたことのない言葉を言われた。
英二の表情は、暗く沈んでいた・・・。
青学の中で、誰よりも早く真実を知ってしまったこと
多分、どんなに足掻いても止めようのないということ
見ていればわかった、表情は見えなくても
その辛そうな、悲しそうなの背中を見れば・・・。
伝えたいからと不二を呼べと、に言われ・・・
英二は、落としたタオルを拾い・・・不二を呼びに戻っていった。

『まだ終わりじゃないさ』

英二に呼ばれ、やってきたのは不二。
「英二に何を言ったんだい?」
「んー・・・1番に気づいちゃったからな英二は・・・」
クスクス笑うだが・・・そのに問いかけている不二の顔は
いつもの微笑む表情ではなく、とても真剣だった。