居ない人間



「何だい?呼び出すなんて・・・」
「ところでさ〜・・・ノートどこやった?」
表情が見えないから、一言出された言葉は
試合には一切関係なく、言葉を受けた乾も驚いていた。
『忍足侑士・・・奴が氷帝の天才だ』
呼び出すのだから、次の試合のアドバイスとか・・・
今の試合の状況とか・・・
そんなことが言われると思われていたのに
の口から出た言葉は全然関係のない言葉
「・・・ノートなら、さっきまでバックの中だったけど・・・」
眼鏡をクイッと上げながら、冷静に答えを返す乾
『攻めるん遅いわ』
「おぉ・・・ならアレが本当に乾のノートなんだな・・・」

ちゃんとデーターとれてるじゃん

「ま・・・まさか中をみっ」
「見たよ・・・」
乾は驚くだけじゃすまなかった。
ノートを見られていたとは・・・なんて悔しがる暇もなく
もう一言言われた言葉に・・・乾はその場で思考が一瞬止まることになる。

「俺のデーターが書いてあるページは全て、破って捨てた」

『オーストラリアンフォーメーション!?』

「なっなんで・・・」
「俺のデーター・・・残ってると困るんだよ・・・」
静かに放たれた言葉に、重みを感じた。
重みを感じ過ぎて・・・の言葉に、返事すらできなかった・・・。
『おっ、ラッキー!当たっちゃったよ』
「残ってると・・・何で・・・困るんだ・・・」
ようやく開いた口も、重々しく感じて・・・
乾は、なかなかハッキリとモノが言えなかった。
「・・・覚えていても困る・・・」
『完ペキ、パーペキ、パーフェクトってね!!』


「この世に、って人間は居ないんだからさ」


「え・・・」

『3人でダブルスをやっているんだ』


「乾貞治・・・データーだけじゃなくて、自分自身を信じろよ」


フルネームで呼ばれ、今まで言われたことのない言葉を言われた。
乾は、その言葉よりも・・・その前の言葉を気にしていた。
という人間は居ない』何故?
目の前に居るじゃないか・・・なのに言われた言葉・・・
全然わからないまま・・・。
試合の終わった桃城をを呼べと、に言われ・・・
乾は次の試合の準備をし始めた。

『ゲームセット、ウォンバイ青学!!菊丸・桃城ペア6−4』

氷帝戦・・・最初の試合は、青学の勝利と終わった。


「・・・先輩・・・なんスか?用って・・・」
「よっ・・・桃城、頑張ったな〜試合・・・」
そんなことを言うだったが、もちろんのこと・・・
桃城の方は向かず、ずっとコートを見つめていた。
その視線の先には、コートと氷帝学園の者達。
「・・・話すんなら・・・こっち向いてくださいよ・・・」

こっちを向いて、話してくださいよ!先輩!!