ざわめく会場
『氷帝学園対青春学園の試合を始めます』 とうとう始まった試合。 なのに、まだ現れない青学のマネージャー。 「勝つんは氷帝!」 「勝つのは氷帝っ!!」 「負けるの青学!」 「負けるの青学っ!!」 試合が始まる前、ベンチコーチに入るはずの竜崎先生が 何故か、コート外に居た。 「竜崎先生?」 青学の誰もが不思議に思ったその瞬間。 「さんだ!!」 「あのさんだよな・・・」 「何であの御方があそこに」 氷帝テニス部200人の部員達が騒ぎ出した。 そう、ベンチコーチに入ったのは・・・竜崎先生ではなく・・・ 青学の制服を着た、だった。 「・・・よかった来たんだにゃ」 「でも、何故に制服?」 青学の中では、来てくれたことにホッとしているレギュラー陣と いつも着ている服が私服ではなく、制服ということに驚いている部員 氷帝の中では、来たことにフッと笑みを浮かべるレギュラー陣と ここに居るはずがないと思っていた人が、居たと驚く部員 たかが1人が来ただけで、誰もがざわめいた。 『ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ青学サービスプレイ』 来てすぐにベンチコーチに入ったに・・・ 青学の誰もが話し掛けることができなかった。 『おかえり』とか『制服でどうしたんだ?』とか 『いつもカボチャコロッケ言うのに・・・今日は言わないんだな』とか 言いたいことは山ほどあったのに・・・。 は、黙ったままベンチコーチに入り・・・試合は始まり・・・ 青学の誰もが、話し掛ける暇を与えられることはなかった。 「海堂薫・・・」 「な・・なんスか?先輩・・・」 そんな試合が始まっている中で、ベンチからが1人を呼んだ。 『いきますよ大石先輩・・・』 「桃城とケンカしてるか?」 「はい?」 いきなり呼ばれ、聞かれた言葉は意味不明。 「思う存分・・・ケンカしろよ?」 「・・・先輩、今日おかしいッスよ?」 いつもは、『ケンカするな!』と怒っている立場の しかし、今日はケンカしろと言う。 『おい菊丸、もっと跳んでみそ』 「ケンカできなくなった時がな?終わりなんだぞ?」 顔は見えない。 試合をしているコートの方をずっと向いているだから 後ろに居る海堂からは、顔が一切見えない状態だった。 表情も何もかも、その声だけで判断しなければならなかった。 「・・・先輩・・・?」 『勝つのは氷帝』 『勝つのは氷帝』 『負けるの青学』 『負けるの青学』 氷帝の部員の応援の中で・・・ は一言だけ・・・海堂に言葉を放った。 「・・・海堂薫・・・自分自身に負けるなよ」 フルネームで呼ばれ、今まで言われたことのない言葉を言われた。 けれども、の表情はわからなかった・・・。 何を考え、こんなことを思っているのか・・・ 全然わからないまま・・・。 乾を呼べと、に言われ・・・海堂は皆の元へ戻った。 「何だい?呼び出すなんて・・・」 海堂に呼ばれ・・・イヤ正しくは、に呼び出され ベンチの後ろあたりまでやってきた乾・・・。 『ジャックナイフだ!!』 試合は続く・・・。 |