Love & Hate


司令部では、キリッとしていたり
書類を溜めて、ホークアイ中尉に銃で撃たれそうになっていたり。
そんな姿が見れるかと思えば、街中で女性と一緒に居る時は
また違った面を見せて……。

そんなロイが、俺に逢っている時に見せるのは
また、違うロイだって事に、ようやく気付いた。

少し前、この表情が親愛と困惑が入り雑じった顔として
考えてしまい、普段の表情から違いを見つけれたと
喜ぶべきか、違いに気付いてしまったと悲しむべきか
苦しんだ事があったが……。

ようやく、考えてる事が分かるようになってきたんだ。
キリッとしている癖に、考えてる事がまったく逆なんだ。
トントンと人差し指で、机を二回叩く。
アレは、どうサボりホークアイ中尉から逃げ出すか考えてる時。
無意識にやってるんだろうな……。
ホークアイ中尉は、既にそれに気付いていて
二回、机の音が鳴った時にはコーヒーを持って部屋に入ってきてるんだ。

もちろん、逃げれない。


女性と一緒に居る時は、笑みを絶やさないんだ。
愛情だと思っていた笑みは、何を言われても変化のない笑みだった。
まるで機械だ。
『結婚しましょう?』と言われても
笑みをそのまま『キミには、もっと相応しい男性がいる』とか言ってみたり
その後も何回かフォローを入れて傷つかないように去らせるんだ…。

「…………最低だ」
「何が最低なんだね、鋼の」

後ろから声が聞こえ、慌てて振り返ると
至上の笑みを浮かべたロイが立っていた。
女性に見せる機械的な表情とはまったく逆の顔だ。

書類の束をエドワードの頭にぽすっとのせる。
書類が落ちそうになり、慌てて手を頭の上にもってきて書類を押さえ
ギロッとロイを睨む。
「アンタが最低だって言ったの」
書類を頭の上から、下ろして両手に持ち
先に歩き出していたロイに追いつこうと廊下を走り出す。
「おやおや、私の耳は遠くなったらしいな」

私が最低なんて言葉が聞こえるんだが……。

クスクス笑いながら、隣の位置を保とうと必死に歩くエドワードを
チラリと見て、両手に持っていた書類をさっと奪い取る。
「歳、とってきたからじゃねーの?三十路っ」

大声で言ってやると、ロイがピタリと足を止めた。


「その三十路に恋をしたのは誰かね」


ふっと鼻で笑い、去っていったロイの背を見つめたまま
エドワードは、手をワナワナと震わせ
行き場のない怒りに、とりあえず両手を天井に向けて上げて
ぶんっと床に向かって勢いよく下ろした。


この時、ようやく……恋した相手を間違ったのではと





考えたがしかし、時は既に遅かったりもするのだ。