花鳥
「佐助…?」 そっと顔を覗き込んできたのは、主である幸村。 修行も勉学も終わった様子で のんびりと佐助の隣に座ってきた。 「そこの花をね…」 「花?」 ぼーっと見つめる佐助の視線の先には 小さな花が咲いていて、時折…そこに、小鳥が寄り道をする。 今は、戦もなく…主も弁丸のような幼い時期に比べて 手がかからなくなった事で、時間が余りすぎている。 「旦那みたいだなって…ね」 小さい花だけど、庭の中で1番の存在感。 真ん中にポツンとある…場合によっては 誰かに踏まれてしまうかもしれない場所。 なのに、その場に居続ける。 と、言っても植物なので自ら動く事はできないのは 分かっている事なのだが……。 「それなら、この花に寄って来る小鳥は…佐助だな」 小さく笑う幸村に、佐助は釣られて笑う。 その花が気に入ったのか、何なのかは分からないが 毎日、毎日小鳥はやってくる。 見ていなくとも、小鳥の鳴き声で来たかどうかは分かるモノ。 「また、勉強サボって庭でも見に来てたんだ…旦那は…」 しかし、佐助は分かっていて幸村をからかう。 その言葉に、幸村は佐助の頭を軽く叩き。 「馬鹿を言うなっ、勉学をしっかりしないといけないと そう教えたのは佐助…お主だろ……」 静かに呟いた。 その言葉に、小さく笑いながら 佐助は同じように静かに呟く。 「…旦那は枯れないでよ」 植物はやがて枯れてしまうから…。 「だったら、佐助は落ちるな…」 小鳥は飛び続ければ、疲れて飛べなくなり落ちていく…。 互いが互いを想う。 小さな花が幸村で…それに寄り添う小鳥が佐助。 |