縁側で
珍しく、いつもの叫び声が聞こえない。 何事かと思い、そっと庭に降り立ってみれば 団子を片手に、コクリコクリと眠っている幸村を見つけた。 「なーにやってんだか……」 そう言いながらも、小さな笑みを浮かべて そっと近づいてみる。 起きる気配がない。 いつもなら、ここまで近づけば気付くはずなのに この前の戦いの疲れがとれていないのか… 人の気配に気付く事なく、眠ったまま 「ホント、戦バカなんだからなぁ〜旦那は…」 そっと毛布を肩にかけて、手に持っていた団子を 皿の上に戻しておいた。 ついでに、俺も寝ますかねなんて…。 佐助は、幸村の背にもたれて体重を手にかけて 幸村には、そっともたれかかるだけの形をとる。 すると、小さな声が聞こえてきた。 「佐助…すまぬ」 「何?起こしちゃった?」 小さな声に、小さな声で対応。 「戦バカですまぬな」 謝ったトコロは、毛布をかけてあげた事ではなく その発言に対してですか…。 佐助は苦笑しながら、自分の手にかけてた体重を 全て幸村にかけ始めた。 「むっ……」 幸村は少し重くなった背中に、顔を顰めた。 「戦バカについてる忍びはもっとバカってね…」 佐助の言葉に、幸村は笑みを浮かべた。 「なら、そのバカ同士寝るとするか…」 幸村は、言葉を出すと同時に、体重を全て佐助にかけた。 互いに体重をかけ合い、1枚の毛布を半分ずつ使う。 「おやすみ旦那…」 「ん…」 とある日の上田城、縁側でのお話。 |